【導入事例】
従業員の「思い」を引き出していく。エンゲージメントサーベイ実施「後」に大切な事とは?

更新日: 2024-08-22

 

ラーニングマネジメントシステムを中心に、企業の人材開発のソリューション提供をする株式会社ライトワークス。人材開発に携わる企業として、従業員エンゲージメントの重要性を理解しているからこそ実施したエンゲージメントサーベイと、サーベイ実施後の取り組みとは?今回は、代表取締役社長の江口夏郎氏をお迎えし、お話をお伺いしました。

株式会社ライトワークス 代表取締役社長 江口夏郎氏: 

1965年5月2日生まれ。東京大学卒業後、イェール大学ビジネススクール(MBA)を修了。1991年農林水産省に入省。株式会社グロービスで執行役員を務めた後に、2001年に株式会社ライトワークスの起業に参画し、eラーニングのコンテンツ販売を開始する。2002年にライトワークスの代表取締役に就任。

 

「サーベイなんて面倒くさい?」従業員からの予想外の反応

 

松丘(株式会社アジャイルHR代表取締役社長) : 本日はありがとうございます。また、弊社のA&Iエンゲージメント標準調査をご利用いただきありがとうございます。まず、御社の事業内容や特徴などについて簡単にお話しいただいてもよろしいでしょうか?

 

江口氏(株式会社ライトワークス代表取締役社長) : 私共ライトワークスは、大手企業を中心に、人材開発のソリューションを提供している会社です。主に「CAREERSHIP」というLMS(ラーニングマネジメントシステム)をSaaS型でお客様に提供し、企業における人材開発の様々な問題を解決したり、新しいことに取り組んでいくお手伝いをしています。

 

松丘 : この度、弊社の「A&Iエンゲージメント標準調査」を導入いただき、御社の社員の方にエンゲージメントサーベイを実施いただきました。本日はその取り組みについてお伺いしたいのですが、まずは、全体的な感想をお聞かせいただけますでしょうか?

 

江口氏 : まず、こういう調査ものについては手間がかかるし嫌がられるかなと思っていたのですが、意外にも従業員から、「結構良かった」、「楽しかった」、「非常に有意義だった」というようなコメントが上がってきまして、それが非常に印象に残りました。

自分たちについてこういうことを調べてくれているんだ、自分たちが思っていることを会社が聞いてくれるかもしれないんだ、という期待感をすごく感じてくれたのだと思います。良い思いだけではなく、不安な気持ちもあるけれど、できるだけ素直にエンゲージメントサーベイに回答して、「自分たちの思い」、そういうものをマネジメントに対して、伝えたい、ぶつけたいというような気持がすごくあったようです。「サーベイなんて、面倒くさいな」と言われてしまうと思っていたので、それはとても驚きました。

 

松丘 : エンゲージメントサーベイの実施にあたって、目的などは説明されたのでしょうか?

 

江口氏 : 一応したつもりです。今から思えばもう少しちゃんと説明したらもっと良かったかなという反省はあります。ただ実際は、私が従業員に伝えた以上に、よく自分たちで理解をしてくれていたと思っています。こういった調査の類は、事前に色々説明をして、納得してもらってから受けてもらうというプロセスが必要だと考えています。会社によってはそういうプロセスを丁寧に行うことが必要な会社もあるかと思いますが、弊社の場合は非常に短い言葉で伝えましたが、しっかりと伝わったと感じています。

 

松丘 : 人材開発を仕事にされている皆さんですから、エンゲージメントや、それを向上する必要性を理解しているのかもしれませんね。

 

江口氏 : はい、それはあるかもしれませんね。大きいと思います。

 

 

従業員の「思い」を引き出したフィードバックワークショップ

 

松丘 : サーベイ結果としては、非常にエンゲージメントスコアが高いという結果がでました。結果をご覧になって、どのようにお感じになられましたか?

 

江口氏 : マネジメントとしては、全国平均や業界平均よりも良かったですよという言葉をいただいて、純粋に嬉しかったです。特定のセクションのスコアが低いなど、色々思うところはありましたが、まず嬉しかったというのが最初にきました。

 

松丘 : 御社はエンゲージメントサーベイだけではなく、その後、サーベイ結果に基づいてサーベイフィードバックワークショップも実施していただきました。ワークショップでは、マネージャー以上の方々の色々な声が出てきましたが、そのワークショップ結果も含めて、お感じになられたことというのはありますか。

 

江口氏 : アジャイルHRさんにワークショップをやっていただいたことで、とてもうまく従業員の思いを引き出せたと思いました。グループディスカッションに入る前に、サーベイ結果をしっかり説明していただいたので、耳の痛い話も一部ありましたが、従業員が素直に話してくれている、思いを出してくれている、と感じました。今回やっていただいたワークショップは、まずはみんなでサーベイ結果をしっかりと理解し、その後に、それに対して自分の気持ちを素直に出していくという流れだったのですが、それをすごく自然にできたということは感じております。

サーベイ実施後に、人事部主導で改善のアクションを考えるのではなく、従業員がサーベイ結果を理解し、それについてディスカッションするプロセスが非常に大事だなと感じています。従業員は今回のエンゲージメントサーベイとワークショップに非常に前向きに向き合ってくれいる感じがすごくあったので、そこは驚きと共に、よかったと思いました。

 

 

松丘 : サーベイフィードバックワークショップの後に、何か具体的に施策を検討したり、会社の中で変化があったりなどはありましたか?

 

江口氏 : 全体的にはスコアは高かったのですが、部門毎にバラつきはあって、マネジメントとしてはまず、スコアが良くなかった部門に注目をして、ワークショップの結果を受けながら、一部の従業員の役割を変えてみたり、人を補強したりというようなことをやり始めたところです。「会社がちゃんと動いている」というのを従業員が感じてくれているのか、今はサーベイ前に比べると相当うまく回っているんじゃないかなという気がします。今後定期的にサーベイをやっていくことで、また見えてくることもあるかと思っています。

 

江口氏とアジャイルHR代表の松丘(左)

 

上場企業にとって、エンゲージメントサーベイの信頼感・安心感は非常に大切

松丘 : サーベイをやりっぱなしになってしまっている企業が少なくない中で、この短期間で実際にアクションまで起こしているのは素晴らしいことですね。江口社長からご覧になって、私どもの「A&Iエンゲージメント標準調査」と「サーベイフィードバックワークショップ」のサービス内容全般について、こういう点が良かった等、気づかれたところはありますか?

 

江口氏 : まずは、御社のエンゲージメントサーベイが学術的なきちんとした研究に基づいていて、統計的な検証がされているところに安心感がありました。我々は上場しましたので、ステークホルダーに対して自社の状況を説明する義務もあります。それが御社のA&Iエンゲージメント標準調査を使わせていただこうと思った一つのきっかけですね。

かつても似たようなエンゲージメント調査をやったことがありますが、最もらしいのだけど「本当かな?」と感じることもあり、どこまで根拠はあるのかがはっきりしないものも結構ありました。色々な企業が使われているサーベイはそれなりに信用できるのでしょうが、実施して結果がでた後に本当に信頼できるのかな?という思いが出てきてしまうこともありますよね。

御社のエンゲージメントサーベイは学術的、統計的なエビデンスがありました。その点は、サービスに対する信頼感・安心感として非常に大切なことだと思っています。

また、単に結果のスコアを出してくるだけではなくて、それを解説したり、分析するということに加えて、ワークショップをやっていただいたことで、色々と考えさせられました。特にマネージャー層、中間管理職の人たちに、ワークショップを通じて色々なことを考えさせてくれたのは、非常に良かったと、とても高く評価をしています。サーベイ結果や、その分析結果というものは、「あなたの会社はこうでした。だからこうしてくださいね。」ということを一方的に伝えることになるのでしょうが、それだけだと、現場の人間はなかなか納得しないし、説得力がないので、従業員に参加してもらって、それぞれの思いを引き出して、「今後こういう風にしていく必要があるよね」、という所までをうまくリードしていただいたのは良かったと思います。

 

松丘 : 最後に、従業員のエンゲージメントについて、江口社長の思いをお伺いさせてください。

 

江口氏 : やはり会社は従業員のエンゲージメントが一番大切かなと思っています。我々は経営者として、戦略やビジョンを掲げ、それを従業員に浸透していく責任はありますが、実際にそれを実行するときに、従業員が自分の仕事に熱意を持って、会社にコミットして取り組まないと仕事はうまくいきません。また、エンゲージメントの高い社員が動くことによって、彼らが気づいたことや感じたことなどのフィードバックがベースになって会社の方向性は決まっていく、ということもあると思います。

そういった点もあり、エンゲージメントが高い社員というのは、10年前20年前よりも明らかに今の方が企業における重要性は高まっているので、今後も重要視して、エンゲージメントが高い状況を維持をして、さらに会社を発展させていきたいと思っています。

 

松丘 : 本日はどうもありがとうございました。