【調査報告】人材投資に積極的な会社ほど従業員エンゲージメントは高い
株式会社アジャイルHRと株式会社インテージは2023年より毎年、従業員エンゲージメント全国調査を実施しています。本年度の調査結果は4月24日に公表済みですが、本記事ではそれに対する補完的な内容について記述しています。
(2025年全国調査結果はこちらをご覧ください)
https://agilehr.co.jp/news/2025/04/775/
本全国調査は「A&Iエンゲージメント標準調査」の調査票をもとに実施されています。同調査は、図1に示すような因果関係を測定するものです。
●従業員エンゲージメント:「ワークエンゲージメント」と「組織コミットメント」
●従業員エンゲージメントに影響を及ぼす要因:「仕事の資源」と「価値観・ビジョンの共有」
●従業員エンゲージメントによって影響を受ける意識や行動:「アウトカム」
本年度の全国平均は以下のような値になりました。
(図1)全体傾向

本年度の調査では標準設問に加えて、いくつかの設問を追加しました。その一つが「人材投資」に関するものです。
以下では、人材投資と従業員エンゲージメントの関係についての分析結果のうち、一部を抜粋して記載しています。
■人材投資に積極的な会社ほど従業員エンゲージメントは高い
図2は、「私の働いている会社の経営陣は、人材投資(教育や福利厚生の充実、職場環境の整備など)に対して積極的に関与している」への回答別の従業員エンゲージメントを表しています。経営陣が人材投資に積極的に関与していると思われている会社ほど、従業員エンゲージメントは高い傾向が見られます。
(図2)人材投資と従業員エンゲージメントの関係

■継続勤務意欲に大きな差がある
人材投資の積極さとアウトカムの各要素には相関がありますが、特に、「継続勤務意欲」に関して、人材投資に積極的な会社とそうでない会社の差異が大きく見られています。
(図3)人材投資とアウトカムの関係

■若手ほど、経営層は人材投資に積極的と感じている
本調査では人材投資への積極さを年代別、職位別、業種別、従業員規模別といった属性別に分析しています。図4は年代別の回答分布を表していますが、20歳代以下の若手ではポジティブ回答率が6割近いものの、40歳代と50歳代ではネガティブ回答率が6割を超えています。
(図4)人材投資への積極さに関する年代別の回答

人材投資の積極さに関する、その他の属性別分析では、以下のような傾向が見られています。
●役職が上がるほどポジティブ回答率が高まる
●業種別でもっともポジティブ回答率が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」であり、もっとも低いのは「運輸業、郵便業」である
●従業員規模が大きいほどポジティブ回答率が高まる
▼これら属性別の詳細データを含んだレポート全体は以下からダウンロード可能です。