セミナー+情報交換会レポート「そのOKRは正しいか?」
9月6日(水)に、アジャイルHRとしては数年ぶりの対面オープンセミナー+情報交換会を開催しました。今回は、MBOに代わる目標設定手法として注目されている「OKR」について、アジャイルHR代表の松丘が講演を行った後に、参加者の皆様と自社の取り組み、課題、疑問点に関して情報交換を行いました。
参加者の皆様からは、OKR=目標設定手法以上の施策であることを理解できた、他社の取り組みについて聞くことができ大変参考なったというお言葉をいただきました。本日のコラムは、セミナーの当日の様子を簡単にお届けします!
【第一部講演】
第一部の講演パートでは、アジャイルHR代表の松丘より、「そのOKRは正しいか?」~OKRの本当の意義~というタイトルでお話をさせていただきました。
コロナにより多くの企業は、様々な面で変化せざるを得ない状況に置かれました。その変化に合わせるために、現在、日本企業の人事のスタンダードも急速に変化する必要に迫られています。その大きな変化の1つとして、「目標設定」があります。ここ数年で、上から目標を与える上意下達の目標設定をやめ、OKRのような自律性をより重視した目標設定手法を導入する企業が増えてきていることをご存じでしょうか?セミナーでは、そのような背景を説明したのち、なぜ、今OKRがそれほど重要視されるのか、企業価値における「資産」という観点から松丘が解説を行いました。
事業によってその比率は異なりますが、日本企業の無形資産の比率は欧米企業に比べると低く、日本企業の価値向上を阻害している要因は、その無形資産の価値の低さにあると考えられます。無形資産には「知的資本」「人的資本」「社会・関係資本」が含まれますが、それらの価値を高めるには、積極的な無形投資と、投資の効果を最大化するイノベーションが必要です。そして、何よりも「無形資産の価値向上に適した組織風土」が不可欠であると考えらえています。
松丘は、現在多くの企業が導入している従来の目標管理・評価制度(MBO)は、受け身・待ちの姿勢の助長、チャレンジ精神の阻害、組織のサイロ化、個人の孤立化といった状況を生みだし、結果として「無形資産の価値向上に適した組織風土」になりにくい要因となっていることを指摘しました。その後、自律、チャレンジ、連携等を促進して、イノベーションを起こすための目標管理の考え方である、OKRについて、基本的な考え方と、OKRによるマネジメントが組織にどのような影響をもたらすかを解説しました。また、OKRに関する、経営者や人事の皆様からよく受ける以下のような質問への解説も行いました。
・MBOとOKRは共存できるか?
・必達目標(予算など)はどう扱えばよいか?
・達成度を用いないでどのように評価するか?
・OKRを導入することで1on1の実施内容は変わるか?
・他の人事制度を見直す必要はあるか?
コロナによる環境変化に加え、無形資産の価値、とりわけ人的資本に注目が集まる中、多くの企業において、上意下達の管理型から、自律・支援型への転換が求められています。OKRだけに限らず、「無形資産の価値向上に適した組織風土」を創り上げていくための方法はいくつもあり、今自社は何をしていくことが必要なのか?1つの施策に留まらずに、全体を俯瞰して、プライオリティを考えたうえで早急に動き出していくことが求められていることをお伝えし、第一部を終了しました。
【第二部 情報交換会】
第二部の情報交換会では、講師である夛田のファシリテーションで、参加者の皆様の会社の取り組みや課題について共有しました。コロナ前後で感じる自社における変化、新たに見えてきている課題についてお伺いしたところ、どの企業もコミュニケーションの在り方について変化を感じ、それと同時にこれからのコミュニケーションの在り方をどうしていくべきか、課題に感じている様子が伺えました。
その後、OKRを導入している企業が数社いらっしゃったこともあり、OKR導入までの道のりや、導入後における課題等について、1on1や360度フィードバック等、他の施策例も交えて情報交換をしました。アジャイルHRからは、導入支援をした企業の事例をご紹介し、トップのコミット、教育機会、継続的なコミュニケーション発信等、それぞれの企業の組織文化を踏まえた導入・運営計画の必要性についても解説をしました。最後に、参加者同士で名刺交換をしていただいたのですが、久々の企業間交流が大変有意義だったというお言葉を多くいただきました。
今回は久しぶりの対面でのセミナー開催でしたが、やはりオンラインでPCの画面越しでお話しするよりも、深くじっくりとお話ができたと感じています。我々スタッフは、日々、多くの企業の経営者、人事ご担当者と接していますが、スピーディに変化をしようとしている企業と、そうでない企業が二極化していることを強く感じます。
セミナーを通して大変印象的だったのは、講師の夛田が「人の育成の1つである研修という施策が、以前は経費として考えられていたのに対し、今は投資と考える会社が増えてきた」とコメントした際に、参加者全員が大きく頷いていたことです。企業における「人材」そして「人材育成」に対する意識が、アンテナの高い会社ではすでに変わってきていることを参加者の皆様も実感されているのだと思います。
アジャイルHRは今後も対面セミナー、勉強会など積極的に開催してまいります。自社は「無形資産の価値向上に適した組織風土」を意識した施策を検討できているだろうか?そのために何をすればいいのだろうか?そんな疑問を感じていましたら、ぜひ一度弊社のスタッフとディスカッションをしてみませんか?お気軽にお問合せください。
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